第110回薬剤師国家試験

```
**解説**

直腸投与は、経口投与が困難な場合や、消化管での分解を避けたい場合に用いられる。しかし、直腸粘膜からの薬物吸収は一般的に低い。そのため、吸収促進剤を用いて薬物の透過性を高める必要がある。

**各選択肢の解説**

*   **1. アルギン酸ナトリウム:** アルギン酸ナトリウムは、主に製剤における結合剤、懸濁化剤、増粘剤として使用される。吸収促進作用はない。

*   **2. 安息香酸ナトリウム:** 安息香酸ナトリウムは、保存剤として使用される。抗菌作用を持つが、吸収促進作用はない。

*   **3. カプリン酸ナトリウム:** カプリン酸ナトリウムは、中鎖脂肪酸であり、直腸投与における吸収促進剤として用いられる。細胞膜の脂質二重層に作用し、薬物の透過性を高める。特に、疎水性の高い薬物の吸収促進に効果がある。

*   **4. チオグリコール酸:** チオグリコール酸は、主にパーマ液や脱毛剤に使用される還元剤である。吸収促進作用はない。

*   **5. プロカイン塩酸塩:** プロカイン塩酸塩は、局所麻酔薬として使用される。血管収縮作用があるため、吸収を遅延させる可能性がある。吸収促進作用はない。

**正答と根拠**

正答は3。カプリン酸ナトリウムは、直腸からの薬物吸収を促進する目的で使用される。
```