第111回薬剤師国家試験

◆ 問10

下図に示した植物由来の化合物が含む部分構造はどれか。1つ選べ。
111回問10画像1
  • リグナン
  • クロモン
  • フラノクマリン
  • ジテルペン
  • アントラキノン

◆ 問10

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


図示された化合物はベルガモチン(bergamottin)であり、グレープフルーツなどの柑橘類に含まれる線状フロクマリン(linear furocoumarin)である。

構造を分解すると、ベンゼン環にフラン環が縮合したベンゾフラン部分、そしてベンゼン環にα,β-不飽和δ-ラクトン(−O−C=O)が縮合したクマリン骨格(正解の選択肢3)が明確に確認できる。クマリン骨格とフラン環が直線状に縮合した構造がソラレン(psoralen)骨格であり、本化合物の母核をなす。さらに4位酸素にゲラニル基(−OCH₂CH=C(CH₃)−)が結合している。

薬学的に重要なポイントは、グレープフルーツジュースと薬物の相互作用の原因物質である点だ。ベルガモチンは腸管のCYP3A4を不可逆的に阻害し、カルシウム拮抗薬・スタチン系薬・免疫抑制薬などの血中濃度を著しく上昇させる。また、フロクマリン類は紫外線(UV-A)と組み合わさることで光毒性・光感作性を示すことも押さえておきたい。

💡 記憶術:クマリン=「くるっと巻いたラクトン環」。ワルファリンの母核でもあり、「抗凝固+光毒性+グレープフルーツ相互作用」と一緒に覚えよう!