第111回薬剤師国家試験

◆ 問183

固形製剤の造粒に用いられる製剤機械ア~オに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
111回問183画像1
  • アは、粉砕、混合、造粒、乾燥操作を連続的に行うことができる。
  • イは、重質で粒度のそろった円柱状の造粒物が得られる。
  • ウは、熱及び水に不安定な薬物の造粒に適している。
  • エは、液滴形状を反映した比較的小さな球形状あるいは丸みを帯びた造粒物が 得られる。
  • オは、軽質で圧縮成形に適した不定形状の造粒物が得られる。

◆ 問183

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


この問題の核心は、それぞれの造粒装置において「どのような物理的力が加わるか」と「水や熱を使用するか」という特徴を整理し、得られる顆粒の形状(円柱状、球状、多孔質など)と正しく結びつけることにあります。

「ア(流動層造粒機) → 粉砕・混合・造粒・乾燥を連続的に行う」は、誤りです。
流動層造粒機は、熱風で粉末を宙に浮かせながら結合剤液を噴霧して粒子を成長させる装置です。「混合・造粒・乾燥」の3工程を1つの装置で連続して行うことができますが、粉砕機能は持っていません。この方法で得られる顆粒は、軽質で多孔質なのが特徴です。

「イ(攪拌造粒機) → 重質で粒度のそろった円柱状の顆粒が得られる」は、誤りです。
攪拌造粒機は、回転羽根(インペラ)で粉末をかき混ぜながら結合剤を加えて練り合わせる装置で、得られる顆粒は不規則な形状をしています。記述にある「重質で均一な円柱状の顆粒」が得られるのは、後述する押出造粒機の特徴です。

「ウ(乾式造粒機) → 熱や水に不安定な薬物の造粒に適している」は、正しい記述です。
乾式造粒機(ローラーコンパクターなど)は、粉末に高い圧力をかけて板状(フレーク)に圧縮し、それを砕いて顆粒にする方法です。水(溶媒)や熱を一切使用しないため、加水分解しやすい薬物や熱に弱い薬物の造粒に非常に適しています。

「エ(噴霧乾燥造粒機) → 液滴形状を反映した小さな球形顆粒が得られる」は、正しい記述です。
噴霧乾燥造粒機(スプレードライヤー)は、薬物を溶かした液を熱風中に霧状に噴射し、一瞬で乾燥させて粉体を得る装置です。液滴が空中で乾くため、非常に細かく、流動性の良い球形の顆粒が得られます。また、乾燥が極めて速いため、薬物を非晶質(アモルファス)の状態で固定したい場合にも利用されます。

「オ(押出造粒機) → 軽質で不定形の顆粒が得られる」は、誤りです。
押出造粒機は、湿った練合物を「ダイス」と呼ばれる小さな穴から押し出して成形する装置です。そのため、得られる顆粒は重質で均一な円柱状になります。「軽質で不定形(多孔質)」な顆粒が得られるのは、選択肢1で紹介した流動層造粒機の特徴です。

【試験対策のポイント:造粒法と形状のセット】
装置名を聞いたときに、以下のキーワードが浮かぶようにしましょう。
  • 流動層: 軽質、多孔質(水に溶けやすい)
  • 攪拌: 重質、不定形(汎用性が高い)
  • 乾式: 水・熱を使わない(ローラーで圧縮)
  • 押出: 円柱状(粒径が揃う)
  • 噴霧乾燥: 小球状(スプレードライ)