第111回薬剤師国家試験
◆問312-313
49歳男性。職場の健康診断で尿糖が「要注意」と判定され、生活習慣を改善するよう指導されたため、健康診断結果を持って薬局に相談に来た。薬剤師が糖尿病の予後や合併症を説明したところ、男性は食事の改善と運動の実践を決意し、「自宅で尿糖を測定したいので尿糖検査薬を購入したい。」と申し出た。相談の結果、一般用検査薬である尿糖検査薬(第2類医薬品)を購入することになった。◆ 問312
◆ 問313
男性は、この検査薬を継続して使用することを考えており、今後の製品の購入に関して質問した。薬剤師の説明として正しいのはどれか。2つ選べ。-
販売できるのは薬剤師又は登録販売者に限られるため、不在時には購入できま せん。
-
健康診断結果又は医師の指示書を持参しないと購入できません。
-
薬局だけではなく店舗販売業の許可を受けたドラッグストアでも購入が可能で す。
-
インターネットでの販売が認められていない製品です。
-
高度管理医療機器の販売業の許可を得ていない店舗では購入できません。
◆ 問312
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、5
この問題は、健康管理のために個人で購入できる「尿糖検査薬」について、正しい検査の手順や結果の解釈、そして陽性だった場合の対応を正しく指導できるかを問う内容です。
【症例のポイント】
・対象: 49歳男性。
・目的: 健康診断で血糖値が高めだったため、自宅で尿糖をセルフチェックしたい。
・検査薬: 尿中のブドウ糖に反応する試験紙(グルコースオキシダーゼ法)。
正解:2、5・対象: 49歳男性。
・目的: 健康診断で血糖値が高めだったため、自宅で尿糖をセルフチェックしたい。
・検査薬: 尿中のブドウ糖に反応する試験紙(グルコースオキシダーゼ法)。
2:中間尿を使用する
排尿の出始め(初流尿)には、尿道の出口付近の雑菌や分泌物が混じりやすく、検査結果に影響を与える可能性があります。そのため、出始めを少しやり過ごした後の「中間尿」を採取して検査するのが基本です。
5:陽性だった場合は医療機関を受診する
OTCの尿糖検査はあくまでも「スクリーニング(ふるい分け)」のためのものです。この検査だけで糖尿病の診断を下すことはできません。試験紙で陽性が出た場合は、専門の医療機関を受診し、血液検査などによる確定診断を受けるよう勧めることが重要です。
誤り:1、3、4
- 1:この検査薬は果糖やガラクトースを測定する
一般的な尿糖試験紙は「グルコースオキシダーゼ法」を採用しており、ブドウ糖(グルコース)にのみ特異的に反応します。果糖(フルクトース)やガラクトースを検出することはありません。 - 3:採取から1時間静置した尿を使用する
採取した尿を長時間放置すると、細菌が繁殖して尿中の糖分を分解してしまったり、成分が変性したりして正しい結果が得られなくなります。採取後は速やかに(通常1分以内など)検査を行う必要があります。 - 4:検査紙を30分間浸してから判定する
試験紙を尿に浸す時間は数秒程度であり、判定までの待ち時間も30秒〜1分程度です。30分も浸したり放置したりすると、試薬が流れ出したり酸化が進んだりして、正確な判定ができなくなります。
【実務のポイント:セルフチェックの意義と注意点】
尿糖検査薬を販売する際は、以下の点も併せてお伝えすると丁寧です。
尿糖検査薬を販売する際は、以下の点も併せてお伝えすると丁寧です。
- 検査のタイミング: 糖尿病の早期発見が目的であれば、食後の血糖値が上がりやすい
食後1〜2時間の尿で検査することが推奨されます。 - 偽陰性の可能性: ビタミンC(アスコルビン酸)を大量に摂取していると、酸化反応を阻害して「糖があるのに陰性と出る(偽陰性)」ことがあるため、サプリメントの服用状況にも注意が必要です。
◆ 問313
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:1、3
この問題は、一般用医薬品(OTC医薬品)として販売される尿糖検査薬の法的な位置付けや、販売時に必要となる許可、購入の際のルールを正しく理解しているかを問う内容です。
【薬剤の分類:第2類医薬品】
多くの尿糖検査薬は「第2類医薬品」に分類されています。この分類に基づき、誰が販売できるのか、どのような場所で扱えるのかといったルールが決まっています。
正解:1、3多くの尿糖検査薬は「第2類医薬品」に分類されています。この分類に基づき、誰が販売できるのか、どのような場所で扱えるのかといったルールが決まっています。
1:販売できるのは薬剤師または登録販売者に限られるため、不在時には購入できない
第2類医薬品は、薬剤師または登録販売者が情報提供に努める義務がある医薬品です。そのため、これらの専門家が不在の時間帯には販売することができません。購入を希望される方には、専門家がいる時間帯に来店していただく必要があります。
3:薬局だけでなく店舗販売業の許可を受けたドラッグストアでも購入可能
第2類医薬品は、調剤を行う「薬局」だけでなく、適切な許可を受けた「店舗販売業(一般的なドラッグストアなど)」でも取り扱うことができます。幅広い場所で購入可能な医薬品です。
誤り:2、4、5
- 2:健康診断結果または医師の指示書を持参しないと購入できない
尿糖検査薬はOTC医薬品ですので、購入にあたって医師の指示書や処方箋は不要です。健康診断の結果がなくても、ご自身の判断でセルフチェック用として購入いただけます。 - 4:インターネットでの販売が認められていない
第2類医薬品は、適切な管理・配送ルール(特定販売)を遵守していれば、インターネットを通じて販売することが認められています。 - 5:高度管理医療機器の販売業の許可が必要
尿糖検査薬は、法律上「医薬品」として扱われます。コンタクトレンズやインスリンポンプのような「医療機器(高度管理医療機器)」ではないため、医療機器販売の特別な許可は不要です。
【実務のポイント:一般用検査薬の相談対応】
尿糖検査薬を販売する際は、単に販売するだけでなく、以下の点を確認することが大切です。
尿糖検査薬を販売する際は、単に販売するだけでなく、以下の点を確認することが大切です。
- 購入目的の確認: 健康診断の結果を受けたセルフチェックなのか、すでに糖尿病の治療中なのかを確認します。
- 適切な受診勧奨: 検査薬は診断を行うものではないことをお伝えし、もし陽性が続く場合は必ず専門の医療機関を受診するよう促しましょう。
