第111回薬剤師国家試験
◆ 問335
医師より、以下に示す組成の輸液(1,000 mL)の調製依頼があった。生理食塩液、塩化カルシウム注射液(0.5 mol/L)、50 w/v%ブドウ糖注射液及び注射用水を用いて調製する時、必要量(mL)として最も近い値の組合せはどれか。1つ選べ。塩化ナトリウムの式量及びブドウ糖の分子量は、それぞれ 58.5 及び 180 とする。(電解質組成)
Na+ 77 mEq/L、Ca2+ 3 mEq/L、Cl- 80 mEq/L
浸透圧を 300 mOsm/L に調整する。

◆ 問335
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:5
この問題は、高カロリー輸液(TPN)を調製する際の電解質計算、特に単位の変換や配合変化(沈殿形成)の知識を正しく活用できるかを問う実務的な計算問題です。
【計算の前提条件】
TPNの調製では、処方された電解質量を正確に算出するために、各成分の「価数」や「最終的な液量」を正しく把握する必要があります。
正解:4TPNの調製では、処方された電解質量を正確に算出するために、各成分の「価数」や「最終的な液量」を正しく把握する必要があります。
解説:正確な電解質計算と濃度の算出
本問において正解となる選択肢4は、処方に基づいた各電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)の必要量を正確に算出し、それを最終液量で割ることで得られる濃度と一致しています。特に、カルシウムなどの多価イオンが含まれる場合、単位の取り扱いに注意が必要です。
誤り:1、2、3、5
これらの選択肢が誤りとなる主な理由は、以下の計算ミスや知識の不足に起因します。
- 単位の変換ミス:
mEq(メック)とmmol(ミリモル)の変換において、イオンの価数を考慮していない場合があります。 - 液量の算出ミス: 各薬剤を混合した後の「最終液量」を基準に計算していない場合、算出される濃度が実際の値とずれてしまいます。
- 配合変化の看過: 処方内容によっては、特定の成分同士を混ぜることで不溶性の沈殿が生じる組み合わせがありますが、それらを考慮せずに計算のみを優先すると、実務上の安全性に欠ける回答となります。
【実務のポイント:TPN調製計算の鉄則3つ】
正確で安全な調製のために、以下の3点を常に意識しましょう。
正確で安全な調製のために、以下の3点を常に意識しましょう。
- 単位統一:
mEq ↔ mmolの変換ミスに注意してください。特にカルシウム(Ca2+)は2価であるため、1 mmol = 2 mEqとなります。 - 最終液量を基準にする: 配合するすべての薬剤の合計液量を正確に把握し、その最終液量を基準に各成分の濃度を逆算します。
- 配合変化チェック: カルシウムイオン(
Ca2+)とリン酸塩を同一のバッグに混注すると、リン酸カルシウムの沈殿が生じるリスクがあります。計算だけでなく、物理的な安定性も必ず確認しましょう。
