第111回薬剤師国家試験

◆ 問48

下図は、ある結晶多形を有する薬物の粉末 X 線回折パターンである。非晶質はどれか。1つ選べ。
111回問48画像1

◆ 問48

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


粉末X線回折では、結晶性固体は原子が規則正しく配列した格子構造(長距離秩序)をもつため、ブラッグの条件(nλ = 2d sinθ)を満たす特定の角度に鋭いピークが現れる。一方、非晶質(アモルファス)は原子配列に長距離秩序がなく、短距離秩序のみが存在するため、特定の回折角にピークが生じず、なだらかで幅広いハロー(ブロードなピーク)のみが観察される。

図を見ると、1〜4は鋭い回折ピークを示しており結晶形であること、さらに回折パターンの違いから互いに結晶多形(異なる結晶構造)であることがわかる。これに対し5のパターンは鋭いピークがまったく存在せず、ブロードなハローのみを示しており、非晶質の典型的な粉末X線回折パターンに一致する。

非晶質は結晶より溶解度・溶解速度が高い反面、物理的・化学的安定性が低く吸湿しやすいという特徴がある。製剤設計において固体分散体などで意図的に非晶質化することがあり、国試頻出の重要概念。