第97回薬剤師国家試験

◆ 問112

消化器系に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 胃では、胃底腺の主細胞がトリプシノーゲンを分泌することにより、タンパク質の消化が行われる。
  • 回腸では、膵液と腸液や胆汁の作用によって、三大栄養素すべての消化が行われる。
  • 消化された栄養素は、主として空腸と結腸の上皮細胞から吸収される。
  • 脂質は、吸収された後にキロミクロンとなり、主に門脈から肝臓を経て全身へ送られる。
  • 消化管の運動や腺分泌は、副交感神経刺激によって亢進する。

◆ 問112

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


胃では、ペプシンによりタンパク質の消化が行われる。ペプシンは、胃の主細胞から分泌されたペプシノーゲンが胃酸により変換され生成される。


小腸は、十二指腸、空腸、回腸で構成されており、回腸では、三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)すべての消化は行われていない。それに対し、十二指腸、空腸では、膵液と腸液や胆汁の作用によって、三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)すべての消化が行われる。


消化された栄養素は、主に小腸上部(十二指腸、空腸)の上皮細胞から吸収される。なお、結腸は大腸の一部であり、主に水分の吸収を行っている。


脂質は、吸収された後にキロミクロンとなり、主にリンパ管に移行する。リンパ管に移行したキロミクロンは、胸管を経て左鎖骨下静脈から循環血を介して、全身へ送られる。


消化管の運動や腺分泌は、交感神経刺激により抑制され、副交感神経刺激により亢進する。