第97回薬剤師国家試験
◆ 問118
免疫に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。-
ナチュラルキラー(NK)細胞は、あらかじめ抗原感作を受けなくとも、腫瘍細胞やウイルス感染細胞を傷害する。
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マクロファージの表面にあるToll様レセプターは、細菌の菌体成分の識別のための受容体としてはたらく。
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好中球が同一の異物により反復刺激を受けると、記憶細胞となり食作用が増強される。
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T細胞は、細胞表面に免疫グロブリンをもたないため、抗原を認識することができない。
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肥満細胞(マスト細胞)は、細胞表面の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスⅡ分子により抗原を認識する。
◆ 問118
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:1、2
ナチュラルキラー(NK)細胞は、あらかじめ抗原感作を受けなくとも、腫瘍細胞やウイルス感染細胞に対して細胞傷害活性を示す。
マクロファージの表面にあるToll様レセプター(TLR)は、細菌の菌体成分(細胞壁細分のリポ多糖体やペプチドグリカンなど)を識別するパターン認識受容体としてはたらいている。
好中球は自然免疫を担っており、同一の異物による反復刺激により、記憶細胞へと分化することはない。なお、同一の異物による反復刺激により記憶細胞へと分化するのは、B細胞やT細胞である。
T細胞は、細胞表面に免疫グロブリンをもたないが、T細胞受容体(TCR)を有するため、抗原を認識することが可能である。なお、細胞表面に免疫グロブリンを有し、抗原を認識することが可能なのは、B細胞である。
肥満細胞(マスト細胞)には、その細胞表面にIgE抗体のFc領域が結合できる受容体が発現している。肥満細胞(マスト細胞)は、この受容体にIgE抗体が結合し、抗原を捕捉し架橋形成することで、抗原を認識する。なお、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスⅡ分子は、樹状細胞、B細胞、マクロファージなどの抗原提示細胞に発現している。