第97回薬剤師国家試験

◆ 問140

PRTR制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 産業廃棄物の不法投棄を防止するためのものである。
  • PRTR法で定められている第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質は、ともにPRTR制度の対象である。
  • 対象化学物質の届出排出先として、事業所における埋立処分の割合が最も大きい。
  • 国際的な対応として、バーゼル条約が発効している。
  • 対象化学物質のうち、届出排出量・移動量が最も多い化学物質はトルエンである。

◆ 問140

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


産業廃棄物の不法投棄を防止するためのものは、マニフェスト制度である。PRTR制度とは、人の健康や生態系に有害である可能性がある化合物について、事業所から環境中への排出量や廃棄物としての事業所外への移動量を事業者が、国に届けるとともに、国はその集計や推計に基づき排出量・移動量を公表する制度のことである。


PRTR法では対象化学物質を第一種指定化学物質と第二種指定化学物質に分類している。その中でも、PRTR制度の対象となるのは、第一種指定化学物質である。


PRTR制度対象化学物質の届出排出先には、大気への排出、公共水域への排出、土壌への排出、事業所内での埋立処分があり、このうち、割合が最も大きいのは、大気への排出である。


PRTR制度における国際的な対応としては、1992年の地球サミットで採択されたアジェンダ21がある。なお、バーゼル条約は、有害廃棄物の国境を越える移動について規制している。


PRTR制度対象化学物質には、ベンゼンやトルエンなどの揮発性炭化水素、ダイオキシンやトリクロロエチレンなどの有機塩素系化合物などがあり、そのうち、届出排出量・移動量が最も多い化学物質はトルエンである。