第97回薬剤師国家試験
◆ 問336
注射剤の投与に際して使用する医療器材に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。-
プロポフォールの脂肪乳剤を点滴静注する際に、ポリ塩化ビニル製の輸液セットを使用する。
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ニトログリセリン注射液を乳酸リンゲル液で希釈して点滴静注する際に、ポリ塩化ビニル製の輸液セットを使用する。
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硝酸イソソルビド注射液を5%ブドウ糖注射液で希釈して点滴静注する際に、ポリエチレン製の輸液セットを使用する。
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ダイズ油を主成分とする脂肪乳剤を点滴静注する際に、輸液ラインに微生物ろ過フィルターを装置する。
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ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有するタクロリムス注射液を生理食塩液に希釈して点滴静注する際に、ポリ塩化ビニル製の輸液セットを使用する。
◆ 問336
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:3
プロポフォール注射剤及びタクロリムス注射液には、可溶化剤として界面活性剤が含まれており、その可溶化剤により、ポリ塩化ビニル(PVC)製の輸液セットに可塑剤として含まれているフタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)(DEHP)が溶出することがある。よって、プロポフォール注射剤及びタクロリムス注射液を投与する際は、DEHPを含まない輸液セットを使用することが望ましい。
ニトログリセリン及び硝酸イソソルビドを希釈して点滴静注する際に、PVC輸液セットを使用すると、ニトログリセリン及び硝酸イソソルビドが吸着することがある。よって、ニトログリセリン及び硝酸イソソルビドを希釈して点滴静注する際には、ポリエチレン製またはポリプロピレン製の輸液セットを使用する。
ダイズ油を主成分とする脂肪乳剤などのエマルション製剤を点滴静注する際に、輸液ラインに微生物ろ過フィルターを装置すると、エマルションの安定性が低下することがある。よって、ダイズ油を主成分とする脂肪乳剤を点滴静注する際に、輸液ラインに微生物ろ過フィルターを装置しない。