第97回薬剤師国家試験

◆ 問98

低分子量の薬物分析を行う際の試料の前処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 水溶液中の目的物質を有機層に抽出するための有機溶媒として、ジエチルエーテルや1-ブタノールなどが用いられる。
  • 水溶液中の目的物質がカルボン酸であれば、水溶液をアルカリ性にすると有機溶媒で抽出されやすくなる。
  • 水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する有機溶媒として、アセトニトリルやメタノールなどが用いられる。
  • 水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する酸として、塩酸、硝酸が適している。

◆ 問98

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


水溶液中から目的物質を有機層に抽出する溶媒抽出法では、水と混和しにくい有機溶媒(ジエチルエーテルや1−ブタノールなど)が用いられる。


溶媒抽出法により目的物質を抽出する場合、目的物質を分子形にすると抽出効率が高くなる。一般に、目的成分が酸性物質(カルボン酸など)の場合、水溶液のpHが低くすると、有機層に抽出されやすくなる。


有機溶媒を用いて行う除タンパク法では、メタノールやアセトニトリルなどの水と混和しやすい有機溶媒が用いられる。


酸を用いて行う除タンパク法では、かさ高い酸(過塩素酸やトリクロロ酢酸など)が用いられる。なお、塩酸や硝酸では良好な除タンパク効果が得ることができない。