第98回薬剤師国家試験

◆ 問168

血液脳関門に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 血液脳関門の実体は、脈絡叢上皮細胞である。
  • 分子量の大きい薬物は、血液脳関門を透過しやすい。
  • 血液脳関門には種々の栄養物質の輸送系が存在し、一部の薬物はこの輸送系によって脳内へ分布する。
  • 薬物の水溶性が高いほど、単純拡散による脳への移行性は大きい。
  • 脳毛細血管内皮細胞に存在するP−糖タンパク質は、一部の薬物の脳内移行を妨げている。

◆ 問168

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


血液脳関門の実体は、脳毛細血管内皮細胞である。なお、血液脳脊髄液関門の実体は、脈絡叢上皮細胞である。


分子量の大きい薬物や水溶性が高い薬物は、一般に血液脳関門を透過しにくい。


血液脳関門にはグルコールやアミノ酸など脳内に移行させる輸送系が存在する。脳内にアミン酸を移行させる輸送系は、レボドパの脳内への移行に関与している。


血液脳関門に存在するP−糖タンパク質は、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ドキソルビシンなどの脳内移行を妨げている。