第98回薬剤師国家試験

◆ 問191

造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVHD)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 移植後1週間以内に好発する。
  • 予防として、移植前日から免疫抑制薬注射剤の持続投与を開始する。
  • レシピエントのリンパ球がドナーの造血幹細胞を攻撃して生着不全を起こす反応である。
  • ドナーのリンパ球がレシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。
  • 発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。

◆ 問191

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


移植片対宿主病(GVHD)には、急性GVHDと慢性GVHDが存在し、急性GVHDは移植後約1〜3週間程度で発症することが多く、慢性GVHDは移植後3ヶ月以降に発症することが多い。


GVHDを予防するために移植前日から免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムスなど)注射剤の持続投与を開始する。


レシピエント(臓器移植を受ける者)のリンパ球がドナー(臓器提供者)の造血幹細胞を攻撃して生着不全を起こす反応は、宿主対移植片病(HVGD)である。なお、GVHDはドナーのリンパ球がレシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。


造血幹細胞移植時のGVHDの予防では、免疫抑制薬の投与が行われる。なお、輸血後GVHDの予防では、輸血血液製剤に対してあらかじめ放射線照射が行われる。