第98回薬剤師国家試験

◆問262-263

80歳男性。喀痰よりMRSAが検出され、以下の薬剤が処方された。
98回問262-263画像1

◆ 問262


◆ 問263

MRSAに対するアルベカシンの抗菌作用機序として、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、転写を抑制する。
  • 細菌のエルゴステロール生合成を阻害し、細胞膜の透過性を高める。
  • 細胞壁前駆体である直鎖状ペプチドグリカン末端のD-アラニル-D-アラニンと結合し、細胞壁の合成を阻害する。
  • 細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合し、タンパク質の合成を阻害する。
  • 細菌の微小管に結合し、有糸分裂を阻害する。

◆ 問262

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


アルベカシンは、アミノグリコシド系抗生物質であり、濃度依存性の抗菌作用を示すため、薬効を判定する際の指標として、Cmax/MICを用いる。また、アミノグリコシド系抗生物質は腎消失型であるため、腎機能の指標(血清クレアチニン濃度、クレアチニンクリアランス、尿中ミクログロビンなど)を基に投与量を設定する。

◆ 問263

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


アルベカシンは、細菌のリボソーム30サブユニットに結合し、細菌のタンパク合成を阻害することにより抗菌作用を示し、その作用は殺菌的である。


細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、転写を抑制する薬物は、リファンピシンである。


細菌のエルゴステロール生合成を阻害し、細胞膜の透過性を高める薬物は、アゾール系抗真菌薬やテルビナフィンである。


細胞壁前駆体である直鎖状ペプチドグリカン末端のD-アラニル-D-アラニンと結合し、細胞壁の合成を阻害する薬物は、バンコマイシンである。


真菌の微小管に結合し、有糸分裂を阻害する薬物は、グリセオフルビンである。q