第99回薬剤師国家試験
◆ 問155
痛みの治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。-
トラマドールは、Ca2+チャネルを直接遮断して、グルタミン酸の過剰放出を抑制する。
-
フェンタニルは、ノルアドレナリンの再取り込みを促進して、下行性の痛覚抑制系を活性化する。
-
プレガバリンは、オピオイドµ受容体を刺激して、上行性の痛覚伝導系を抑制する。
-
メキシレチンは、Na+チャネルを遮断して、知覚神経軸索における興奮伝導を抑制する。
-
ゾルミトリプタンは、セロトニン5−HT1B及び5−HT1D受容体を刺激して、脳血管を収縮させる。
◆ 問155
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:4、5
トラマドールは非麻薬性鎮痛薬であり、オピオイドµ受容体刺激による上行性痛覚伝導路の抑制及びセロトニン、ノルアドレナリンの再取り込み阻害作用による下行性疼痛抑制系の活性化により鎮痛作用を示す。
フェンタニルは合成麻薬性鎮痛剤であり、µ受容体刺激による上行性痛覚伝導路の抑制により鎮痛作用を示す。
プレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca2+チャネルのα2δサブユニットに結合し、グルタミン酸などの神経伝達物質の遊離を抑制することにより神経障害性疼痛や線維筋痛症に伴う疼痛に効果を示す。
メキシレチンは、神経細胞膜のNa+チャネルを遮断し、知覚神経軸索における興奮伝導を抑制することにより糖尿病性神経障害に伴うしびれに効果を示す。
ゾルミトリプタンは、セロトニン5−HT1B及び5−HT1D受容体を刺激して、脳血管を収縮させることにより片頭痛に対して効果を示す。