第99回薬剤師国家試験

◆ 問165

抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • メルカプトプリンは、生体内でチオイノシン酸に変換され、アデニル酸及びグアニル酸の生合成を阻害する。
  • ビンクリスチンは、DNAをアルキル化し、がん細胞のS期移行を阻害する。
  • ゲムシタビンは、生体内でリン酸化され、DNAトポイソメラーゼⅡを阻害する。
  • タモキシフェンは、エストロゲン受容体を遮断し、乳がん細胞の増殖を阻害する。
  • トラスツズマブは、CD20抗原を有する細胞を補体依存的に傷害する。

◆ 問165

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


メルカプトプリンは、生体内でチオイノシン酸に変換されて、プリン塩基であるアデニル酸及びグアニル酸の生合成を阻害する。


ビンクリスチンは、微小管の構成タンパク質であるチュブリンに結合し、微小管重合を阻害することにより、がん細胞のM期(細胞分裂期)を抑制する。


ゲムシタビンは、生体内でリン酸化され、活性体(二リン酸化体、三リン酸化体)となる。
・二リン酸化体:リボヌクレオチドレダクターゼ阻害により間接的にDNA合成を阻害
・三リン酸化体:DNAに組み込まれることで直接的にDNA合成を阻害


タモキシフェンは、乳がん組織のエストロゲン受容体を拮抗的に遮断し、乳がん細胞の増殖を阻害する。


トラスツズマブは、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)が過剰に発現しているがん細胞の増殖を抑制する。なお、CD20抗原を有する細胞を補体依存的に傷害するのは、リツキシマブである。