第99回薬剤師国家試験
◆問264-265
60歳男性。肺がん治療のためシスプラチンとエトポシドの併用療法と放射線治療を行う予定である。主治医より制吐薬に関する問い合わせがあった。◆ 問264
◆ 問265
嘔吐を抑制する薬物の作用機序に関する記述のうち、 正しいのはどれか。２つ選べ。-
グラニセトロンは、求心性迷走神経終末のセロトニン5−HT1受容体を遮断する。
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アプレピタントは、中枢神経系のタキキニンNK1受容体を遮断する。
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アプレピタントと同様の制吐作用機序を持つ薬物として、ジメンヒドリナートがある。
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ロラゼパムは、中枢神経系のドバミンD2受容体を刺激する。
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ロラゼパムと同様の制吐作用機序を持つ薬物として、アルプラゾラムがある。
◆ 問264
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：5
放射線照射に伴う悪心・嘔吐には、セロトニン5−HT3受容体遮断薬（グラニセトロンなど）が有効である。
抗癌剤投与による急性悪心・嘔吐には、セロトニン5−HT3受容体遮断薬と副腎皮質ステロイド薬が併用される。また、急性悪心・嘔吐の重症例では、セロトニン5−HT3受容体遮断薬と副腎皮質ステロイド薬に加え、アプレピタントが併用される。
抗癌剤投与による遅発性悪心・嘔吐には、アプレピタントが有効である。
予測性の悪心・嘔吐には、ベンゾジアゼピン系薬（ロラゼパムなど）が有効である。
◆ 問265
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：2、5
グラニセトロンは、求心性迷走神経終末のセロトニン5−HT3受容体を遮断し、抗癌剤による悪心・嘔吐を抑制する。
アプレピタントは、中枢神経系のタキキニンNK1受容体を遮断し、抗癌剤による悪心・嘔吐を抑制する。
ジメンヒドリナートは、H1受容体を遮断し、動揺病に伴う悪心・嘔吐を抑制する。
ロラゼパムは、ベンソジアゼピン結合部位に作用し、抗不安作用を示すことにより、予測性の悪心・嘔吐を抑制する。なお、ロラゼパムと同様の制吐作用機序を持つ薬物として、アルプラゾラムなどがある。
