第99回薬剤師国家試験

◆問308-309

24歳女性。クローン病と診断され、メサラジンで治療していたが効果不十分のため、生物由来製品であるインフリキシマブ(遺伝子組換え)が処方された。

◆ 問308

インフリキシマブの使用に関する記述について、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • インフリキシマブの使用はクローン病の根治が目的である。
  • 使用記録簿は当該施設で20年間保存することが義務付けられている。
  • 結核の既感染者には胸部レントゲン検査等を定期的に行う。
  • 製造に用いた原料について患者に説明する義務がある。
  • 重篤な副作用に対し十分対応できる医療機関で使用する。

◆ 問309


◆ 問308

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


本剤は、クローン病の根治が目的ではなく、クローン病の寛解導入、寛解維持を目的として用いられる。


本剤は生物由来製品であり、使用記録簿の保存は義務付けられていない。なお、使用記録簿を当該施設で20年間保存することが義務付けられているのは、特定生物由来製品である。


本剤を使用することにより結核の発症や結核既感染者の症状顕在化・悪化を起こす可能性がある。そのため、本剤を結核の既感染者が使用する場合には、定期的に胸部レントゲン検査等を行う必要がある。


本剤は生物由来製品であり、製造に用いた原料について患者に説明することは義務付けられていない。なお、製造に用いた原料について患者に説明する義務があるのは、特定生物由来製品である。


本剤は、重篤な副作用に十分対応できる医療機関で使用する必要がある。

◆ 問309

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


医薬品の直接の容器又は直接の被包への記載事項することが義務づけられている項目(原則)を以下に示す。
・製造販売業者の氏名又は名称及び住所
・医薬品の名称
・製造番号又は製造記号
・重量、容量又は個数等の内容
・日本薬局方に収められている医薬品は、「日本薬局方」の文字及び記載するように定められた事項
・基準設定医薬品は、貯法、有効期限等の基準
・一般用医薬品は、区分ごとに「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」の文字
・要指導医薬品は、厚生労働省令で定められた事項
・日本薬局方収載医薬品以外の医薬品は、有効成分の名称、分量
・習慣性医薬品は「注意−習慣性あり」の文字
・処方せん医薬品は「注意−医師等の処方せんにより使用すること」の文字
・厚生労働大臣の指定する医薬品は、「注意−人体に使用しないこと」の文字
・厚生労働大臣の指定する医薬品は、その使用の期限
上記より、設問のラベルに記載された事項の他に法令の規定により記載しなければならない事項は、製造販売業者の氏名又は名称及び住所(選択肢1)と製造番号又は製造記号(選択肢3)である。