【薬剤師国家試験】合格後の薬剤師免許の申請手続き、費用を解説!

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薬学生の皆さん、薬剤師国家試験の合格おめでとうございます!薬剤師国家試験に合格できたのは紛れもなく皆さんの努力の結果だと思います。

ただし、薬剤師国家試験に合格しただけでは薬剤師として働くことは出来ません。いくつかの手続きを経て取得できる薬剤師免許証が必要になります。

今回は、薬剤師国家試験の合格後に必ず行なう、薬剤師免許の申請手続きを解説します。薬剤師国家試験に合格された方、これから受験を予定している方、お子様が薬剤師国家試験に合格された方は参考にしてみてください!


薬剤師免許の申請とは?

薬剤師免許の申請とは、薬剤師国家試験に合格した方が免許を取得し、薬剤師名簿に登録する手続きのことです。薬剤師以外でも国家試験に合格した場合は、免許申請を行い、受理されることで資格保有者として仕事ができるようになります。


合格しただけでは薬剤師として働けない

薬剤師として従事出来るのは薬剤師名簿に登録された(薬剤師免許証を持った)薬剤師だけです。薬剤師国家試験に合格した際には「合格証書」が配布されますが、これは薬剤師免許証とは違います。

薬剤師免許免許の申請を行わず薬剤師業務に従事することは法律違反となります。必ず申請するようにしましょう。


薬剤師免許の申請はいつする?申請期限は?

薬剤師免許の新規申請には特定の申請期限はありません。また、薬剤師国家試験の合格実績に有効期限はないため、合格後はいつでも申請することができます。ただし、申請してから薬剤師免許証を受け取るまで最長で5ヶ月程度かかるため、早めに手続きすることをおすすめします。


免許の申請から受け取りまでの流れ

薬剤師免許を申請してから受け取るまでの流れは以下の通りです。

  1. 合格証書を受け取る
  2. 事前準備物を用意する
    • 薬剤師免許申請書(収入印紙30,000円)
    • 医師の診断書
    • 住民票の写しまたは戸籍抄本
    • 登録済み証明書用はがき
  3. 最寄りの保健所へ申請にいく
  4. 薬剤師名簿に登録される
  5. 薬剤師免許証を受け取る

1.合格証書を受け取る

薬剤師国家試験に合格すると、合格証書が郵送されます。合格証書の左上に書かれている合格証書番号を免許申請書に記入する際と、保健所窓口で原本を提示する際に必要なため、失くさないようにご注意ください。


万が一無くした場合は再発行できます。再発行手続きの詳細は以下の記事をご確認ください。


2.事前準備物を用意する

免許申請に必要な準備物は以下の通りです。(チェックリストとしてもご活用ください。)

  • 薬剤師免許申請書(収入印紙30,000円)
  • 医師の診断書
  • 戸籍抄本または住民票の写し
  • (登録済み証明書用はがき)

それぞれ確認していきましょう。


薬剤師免許申請書

薬剤師免許申請書は以下のページからダウンロードできます。

印刷して、申請書を記入していきましょう。厚生労働省のページでは薬剤師免許申請書は書き方の注意点が示されています。


注意事項は以下の通りです。
収入証紙では受け付けられません。
施工年月回数を必ず記入
受験地を必ず記入
合格証書の番号を確認の上、必ず記入(受験番号ではなく、合格証書左上の番号のことです)
 都道府県名のみ記入
 現住所を記入
免許証に使用するため戸籍上の指名を楷書ではっきりと間違いのないように記入
日本国籍の者は元号で記入(外国籍の者は必ず西暦で記入)
 本人連絡先を記入
外国籍の方で「住民票」に通称名の記載があり、通称名併記の免許証の交付を希望する場合は、氏名の下に括弧書きで通称名を記入
受付した保健所等で記入するところには記入不要です。

109回を受験された方向けに記入例も用意しましたので、参考にしてください。


収入印紙はコンビニでも買えますが、金額が高いので取り扱いがない場合があります。その場合は近くの郵便局で購入しましょう。


医師の診断書

診断書は申請日から直近1ヶ月以内のものでなければなりません。

最寄りの病院、診療所で国家試験の免許申請のために診断書を書いて欲しいと伝えれば自費で1500〜5000円で書いてもらえます。フォーマットは以下の通りです。事前に印刷して記入をお願いしましょう。(※2ページあるので注意)

診断した病院、診療所の名称が正確に記載されていることは必須条件なので、診断書を受け取る際は確認するようにしましょう。


戸籍抄本または住民票の写し

現住所がある役所に行って発行することもできますが、マイナンバーカードを所持している場合はコンビニ行政サービスの「コンビニ交付」がおすすめです。役所より待ち時間が少なく、発行手数料が安く、発行手続きを行える時間帯も長いです。

コンビニ交付の手続きの詳細は以下のページを参考にしてください。

価格は各自治体によって異なりますが、おおよそ以下の通りです。

証明書の種類発行手数料
窓口コンビニ交付
住民票の写し350円200円
戸籍抄本450円350円

登録済証明書用ハガキ

これは必須ではありませんが、添付した方が良い書類で、薬剤師名簿に登録後、免許証が手元に届くまで2ヶ月程度かかります。

4月から薬剤師として働く方は薬剤師として登録された証明を勤務先に求められるかもしれません。そんな時に登録済証明書用ハガキを添付しておけば、薬剤師名簿の登録と同時期に薬剤師名簿登録済証明書を受け取ることができます。

登録済み証明書用ハガキは保健所に置いてあります。別途63円の切手が必要です。


書類順序に注意してまとめる

これまで書類を準備しましたが、申請する際は上から順に次の順序でまとめておかなければなりません。

「申請書」>「診断書」>「戸籍抄本(または住民票の写し)」の順に重ねて、左上をホチキスで止める。また、登録済証明書用は申請書類の最後にハガキをクリップで止めて提出する。

図で解説してみました。



3.最寄りの保健所へ申請手続き

保健所は役所なので、基本的に平日9:00~17:00しか手続き出来ません。※地域によって異なります。「地域名+保健所」で検索して最寄りの保健所を探しましょう。

もしくは厚生労働省の保健所検索ページを利用することもできます。


保健所では、書類に不備がないか、必要な書類が欠けていないかチェックした上で、申請手続きを進めましょう。最終確認用のチェックリストを作りました。
薬剤師免許申請書がある
 診断書がある
 戸籍抄本または住民票の写しがある
登録済証明書用はがきがある
免許申請書の住所、氏名に誤りがない
免許申請書に収入印紙30000円が貼られている
診断書に病院、診療所名が記載されている
登録済み証明書用はがきに63円切手が貼られている

確認できたら、申請しましょう。後は待つだけです。

4.薬剤師名簿に登録される

薬剤師名簿に登録されるのは申請から2か月程度です。手続きは先着順で行われるため、早ければ早いほど申請手続きが完了するのも早くなります。

登録済証明書用はがきを添付して免許申請手続きを行なった方は登録日に薬剤師名簿登録済証明書が発送されます。


5.薬剤師免許証を受け取る

名簿登録から2ヶ月後程度で免許証が発行されます。財布に入らない大きさですが、難関試験を突破したことを褒め称えるような重みのある免許証です。

これで薬剤師免許の申請から免許証の受け取りまでの手続きは完了です。お疲れ様でした。


薬剤師免許の申請にかかる費用は?

薬剤師免許の申請にかかる費用をまとめました。

  1. 薬剤師免許申請書:収入印紙30,000円。
  2. 医師の診断書:自費で1,500〜5,000円。
  3. 戸籍抄本または住民票の写し:窓口で350円、コンビニ交付で200円。
  4. 登録済証明書用ハガキ:別途63円の切手が必要。

合計:31763~35413円です。


まとめ

薬剤師免許の申請手続きについて解説しました。最後にざっくりと要点だけまとめようと思います。

申請手続きの流れ:

  1. 合格証書の受け取り: 郵送される合格証書は申請書記入と保健所での提示に必要です。
  2. 事前準備物の用意: 薬剤師免許申請書、医師の診断書、住民票の写しまたは戸籍抄本、登録済証明書用はがきを準備します。
  3. 保健所への申請: 必要書類を持って最寄りの保健所に申請します。
  4. 名簿への登録: 申請から約2ヶ月で薬剤師名簿に登録されます。
  5. 免許証の受け取り: 名簿登録後、約2ヶ月で免許証が発行されます。

申請にかかる費用:

  • 薬剤師免許申請書: 収入印紙30,000円
  • 医師の診断書: 1,500〜5,000円
  • 戸籍抄本または住民票の写し: 窓口350円、コンビニ交付200円
  • 登録済証明書用ハガキ: 切手63円

合計費用: 約31,763〜35,413円

以上です。面倒な手続きですが、国家試験の勉強と比べたら大したことないですかね(笑) 最後になりますが、合格した皆さん、本当におめでとうございます。これから薬剤師として様々な活躍をされることを心から楽しみにしています。